恒例となっているように、シリコンバレーのよく知られた企業以外のVCの声を取り上げ、今シーズンも女性ベンチャーキャピタリストの英知を読者の皆様と分かち合えることを光栄に思います。 そして2025年は、宇宙が私たちに宇宙レベルの明晰さと洞察をもたらしてくれますように。 頼 嘉満: General Partner, ファーストライト・キャピタル1. 海外資金や海外人材の流入: 2025年、日本はトランプ政権の中国政策や移民政策がもたらす米中技術競争の激化、サプライチェーン再編などの影響を受け、海外投資家による日本への投資がさらに活発化すると予測されます。また、海外から優秀な人材を確保する絶好の機会となり、日本のスタートアップのグローバル競争力向上が期待されます。 2. 生成AIの本格的な活用: 2024年は、生成AIが多くのSaaSプロダクトに組み込まれ、業務効率化が進んだ年でした。また、大企業では人手不足を背景に、生成AIを活用した実証プロジェクトが多く実施されました。これらの成功を受け、2025年には生成AIを業務の中核に据える企業が増えるでしょう。さらに、医療、教育、物流、製造などの分野で「Vertical AI」を基盤としたAI Nativeなスタートアップが増加すると予測します。 3. Physical AIの可能性に注目: 2025年、日本の「現場」における人手不足への対応として、Physical AIの活用の可能性の探求が進むと予測します。Physical AIとは、物理空間でデータを活用し、課題を解決するAI技術です。製造業や物流業、医療など、現場で直接業務を担う人材の不足に対し、AI搭載のロボット・ハードウェアやIoTセンサーが作業を支援する仕組みが今後不可欠です。これらの技術は、生産性向上だけでなく、新しい労働モデルを構築し、日本社会の構造的課題に対する解決策として注目したい。 増田 智子: 国内投資運用第一部 次長, 大和企業投資 2024年を振り返ると、日本のグロース市場は回復には至らず、閉塞感が続く一年となった。日本は独自の文化や商習慣を持ち、相応の市場規模がある。国内のスタートアップにとって、海外展開は容易なことではなく、国内市場に集中し着実に業績を伸ばすのが自然な流れとなっていた。しかし、少子高齢化が進行し、多くの市場で規模が徐々に縮小している現状を無視することはできない状況にあり、それはスタートアップにとっても同様である。今後、日本のスタートアップが大きな成長を目指すためには、海外展開を視野に入れた事業構築が必要になると考えている。 弊社ファンドの投資先には、宇宙、ライフサイエンス、クリーンテックなどのディープテック分野のスタートアップがあり、これらは日本国内に留まらず、積極的に海外市場を開拓している。同様の動きが他の企業でも見られる。 2025年には、海外展開を前提とした起業や資金調達が増加すると予測している。閉塞感を打破し、国内経済の活性化や新産業の創出に貢献するため、事業領域や国境を超えた大きな市場を開拓する気概と、様々な障壁を乗り越える志を持つスタートアップに対して、積極的に投資を続けていきたい。 Ana Carolina Mexia Ponce : Co-Founding Partner, Nido Ventures 2025年には、農業、製造業、物流、ヘルスケア、エレクトロニクス、自動車などの基幹産業において、AIの変革の可能性がますます明らかになるだろう。AIツールが成熟するにつれて、重要なプロセスにシームレスに統合され、効率を高め、コストを削減し、まったく新しい機能を実現することが期待される。例えば農業では、AIを活用した精密農業が水と肥料の使用を最適化し、資源を節約しながら作物の収穫量を増やす可能性がある。ロジスティクスでは、予測分析と自律システムがサプライチェーン管理に革命をもたらし、ジャストインタイム・オペレーションへの依存度が高まる世界で遅延と無駄を削減する可能性がある。 製造業では、AI主導の自動化が、組立ラインのロボット工学の域を超えるかもしれない。高度なジェネレーティブAIモデルは、エンジニアと協力して最適化された部品やプロセスを設計し、開発サイクルを短縮して材料の無駄を削減する可能性がある。エレクトロニクス産業は、AIによって強化されたチップ設計と予知保全の恩恵を受け、より効率的な生産と技術革新サイクルを確保できるだろう。同様に、自動車業界もAIによって電気自動車の設計、自律走行技術、サプライチェーンの最適化が進み、変革の時を迎えている。 これらの産業がAIを大規模に探求するにつれ、特にメキシコのような新興市場では、テクノロジーが伝統的な慣行と近代的イノベーションのギャップを埋めつつあり、その波及効果は計り知れない。分野の専門知識とAI能力を組み合わせた企業は、次の10年を再定義する可能性を秘めており、世界を動かし続ける産業の中心でイノベーションが繁栄していることを証明している。 松本 美鈴: アソシエイト, インキュベイトファンド 生成AI領域に注目しています。野村総合研究所「日本のChatGPT利用動向(2024年9月時点)」によると、ChatGPTの利用率は20%を超えたそうです。ChatGPTがキャズムを超えたことで、2025年はtoB、toCともに生成AIがさらに身近なものになっていくと考えています。個人的には、アプリケーションレイヤーにおける領域特化型サービスやAIを活用して既存のビジネスモデルを再構築した事業に強い可能性を感じています。 また起業家の属性という観点で、2010年代後半から投資銀行やコンサルティングファーム出身者の起業が大きく増えたように、2020年代後半からスタートアップ企業出身者の起業が増えていくと予想しています。スタートアップのリアルをその目で見てきた方々がどんなビジョン・アイデアで起業し、どんな世界を作っていくのかをとても楽しみにしています。 堤 世良:シニアプリンシパル, DGインキュベーション 1. 日本人起業家による海外展開とクロスボーダー投資: これまで自国中心のスタートアップエコシステムを築いてきた日本ですが、2025年は、優秀で海外経験も豊富な日本人起業家が、シード期の段階から日本以外の大きな市場での事業展開をスピード感を持って狙いにいくような動きがさらに注目されると考えています。これにより、日本-海外双方向のクロスボーダー投資が加速化し、グローバルスタンダードでの投資が求められていくと思っています。 2. 形を変えるClimate Tech: […]
As is customary, I am honoured to be able to feature the voices of venture capitalists beyond the usual Silicon Valley household names and once again publish the wisdom of a fully-female cast of VCs for this season’s set of predictions. May the universe bring us cosmic clarity and enlightenment in 2025. Happy holidays ! […]